「1から99まで自分たちでやるぞという覚悟を持っていました」。渡米した当時のことを振り返り、川島如恵留はApple Musicに語る。日本のみならずアメリカでもその実力を認められたアイドルグループ、Travis Japan。2012年に結成した彼らは、振付師のトラヴィス・ペインに師事し、グループ名は師の名前を取って名付けられた。そして何度かのメンバー変遷を経て、2017年に川島如恵留、七五三掛龍也、吉澤閑也、中村海人、宮近海斗、松倉海斗、松田元太の7人編成となる。各自タレント性が高く、ダンスの振付やステージの演出などで手腕を振るうメンバーもいることで、グループ独自のエンターテインメントが磨かれていった。 舞台の主演を務めるなど、デビューまでに多くの経験を積んだ彼らは2022年、アメリカのロサンゼルスに留学し、武者修行を行うことを決意する。彼らはシェアハウスで共同生活を行いながら、自分たちの表現と深く向き合った。「困ったことがあれば助け合えるメンバーがいたからできたこと。互いを深く知れた時間だった」と宮近海斗は語る。渡米してすぐの同年春にはアメリカのダンスコンテストに出演し、着物をモチーフにした衣装など和のテイストを取り入れた演出で鮮烈な印象を与え、輝かしい賞を受賞した。まもなくアメリカのキャピトル・レコードと契約し、全編英語詞のダンスチューン「JUST DANCE!」で全世界デビュー。その後も日米で活動を続け、ファーストアルバム『Road to A』（2023年）は日本語メインのオリジナルバージョンと、英語詞によるグローバルエディションの2種をリリースした。タイトルの“A”には“Authenticity”（信頼性、本物・真実であること）という意味も込められ、Travis Japanがエンターテインメントの神髄を究めるという意思を示した。 Travis Japanがアメリカに渡って学んだことは「アグレッシブであること」だと川島は語る。「鏡の前にどれだけ長くいられるか、自分をどれだけカッコよく見せたいかを徹底的に研究している人が多い。シャイになる時間は一切ないんです」。彼らが見据える世界はどこまでも広く、だからこそ立ち止まっている暇はない。これからも7人一体となって走り続け、全方位のエンターテインメントスキルを高め合っていく。