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    第75回 申惠媛さんインタビュー『エスニック空間の社会学〜新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編』

    第75回 申惠媛さんインタビュー『エスニック空間の社会学〜新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編』

    今回は2024年に新曜社より出版された『エスニック空間の社会学〜新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編』の著者である申惠媛さんにお話を伺いました。インタビュアーは鶴見太郎さんです。

    【著作概要】マルチエスニック・タウン、コリアンタウン、韓流・K-POPの聖地 ― 様々な異名を与えられてきたエスニックな観光地「新大久保」。その出現は、多国籍な居住空間としての大久保地域にいかなる影響をもたらしたのか。大久保地域「新大久保」という重層的なエスニック空間を事例に、人々が絶えず出会い、葛藤を生じ、調整を図ることで再編されるプロセスとしての「地域社会」概念を提起する。



    【ゲスト:申惠媛プロフィール】1990年ソウル生まれ、2001年来日。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。現在、宇都宮大学国際学部助教。専門は社会学(移民研究、都市社会学)。その他詳細は、https://researchmap.jp/shyewon

    【インタビュアー:鶴見太郎プロフィール】1982年岐阜県神岡町(現飛騨市)生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授・博士(学術)。専門は、歴史社会学、ロシア・ユダヤ人、イスラエル/パレスチナ、エスニシティ・ナショナリズム。主な著書に『ロシア・シオニズムの想像力〜ユダヤ人・帝国・パレスチナ』(東京大学出版会、2012年)、『イスラエルの起源〜ロシア・ユダヤ人がつくった国』(講談社、2020年)、From Europe’s East to the Middle East: Israel’s Russian and Polish Lineages(共編著、ペンシルベニア大学出版局、2021年)



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    • 33 min
    第74回 楊佳嘉さんインタビュー『Women in Asia under the Japanese Empire』

    第74回 楊佳嘉さんインタビュー『Women in Asia under the Japanese Empire』

    今回は2023年にRoutledgeより出版された『Women in Asia under the Japanese Empire』の共編者である楊佳嘉さんにお話を伺いました。インタビュアーは同じくこの本の共編者、蔭木達也さんです。

    【著作概要】アジア各地の女性の立場から日本の帝国主義を描く本書は、沖縄、台湾、朝鮮、満州はもちろん、汪兆銘政権下の広州から南洋までをも取り上げ、各地の女性たち(日本人も含む)がどのように帝国日本の植民地主義と向き合い、その影響を受け、あるいはそれと対抗したか、ということを論じています。

    雑誌などのメディアを通じたプロパガンダ、旅行者や移民の目線、帝国・民族・ジェンダーの複合的にねじれた関係、画一的に喧伝される帝国の女性像と各地で芽生える独自のアイデンティティ、抑圧・抵抗・協調の諸相——読者は11章の充実した研究を辿っていくことで、「良妻賢母」が東アジア各地で形を変えながら展開していること、当時の一部の女性知識人たちには日本より中国の諸都市が「近代」的に見えていたことなどはもとより、理想とされる「帝国の日本人」イメージすら各地で大幅に異なり、外地日本人から内地が批判されていたりすることや、沖縄女性が置かれた特異かつ悲惨な歴史的位置など、興味深い論点に次々と行き当たることでしょう。



    【ゲスト:楊佳嘉プロフィール】1990年中国山西省生まれ。専門は日本近現代文学、日中比較文学、女性文学 ·文化。名古屋大学文学博士。日本学術振興会特別研究員(DC2)、名古屋大学博士候補研究員を経て、現在は中国厦門大学外文学院助理教授。主な論文に「『輝ク』における日中女性の連帯とその変節 〜インターナショナル ·フェミニズムから帝国のフェミニズムへ」(『日本語·日本学研究』vol.14、2024.3)、「平林たい子と彼女の「満洲」体験物語 〜作品における空間の意味と機能をめぐって」(『北東アジア研究 』vol.32、2021.3)など。ジェンダー、戦争、植民地の問題に関心があり、特に近代日本女性文学、女性雑誌における中国表象の問題を中心に研究しています。近年は女性作家、女性文化人と戦争の関係から、日本帝国のフェミニズムの多様な系譜という問題を考えている。

    【インタビュアー:蔭木達也プロフィール】非正規教員。高群逸枝を軸に、1920年代から30年代の日本に着目した社会思想史研究を行っている。論文に、「「分裂せざる」二者から始まるアナーキズム」(『社会文学』51号、2020年3月)、「「神」と対峙する「天皇」のイロニー」(『思想』1158号、2020年10月)、「高群逸枝の民衆哲学」(『国語と国文学』99巻第1号、2022年1月)、「社会運動のなかの報徳思想」(『報徳思想とその展開』不二出版、2023年)など。



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    • 32 min
    第73回 奈倉京子さんインタビュー『中国の知的障害者とその家族〜「新しい社会性」のエスノグラフィー』

    第73回 奈倉京子さんインタビュー『中国の知的障害者とその家族〜「新しい社会性」のエスノグラフィー』

    今回は2023年に東方書店より出版された『中国の知的障害者とその家族〜「新しい社会性」のエスノグラフィー』の筆者である奈倉京子さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。

    【著作概要】本書は、家族以外の多様な他者とのかかわりが必要とされる障害者とその家族を対象に、障害のある家族成員のケアは家族以外の社会関係(中間的領域/組織)に頼ることができるのか、あるいは家族へ全面的に依存せざるを得ない状況にあるのかといったことを考察する。

    民間組織「機構」の役割を当事者の目線で検討し、また複数の障害者家族への聞き取りを通して、中国西北部に暮らす知的障害者とその家族の生の営みを記述したものである。

    第一部では法整備や中間的領域/組織の成り立ちなど、社会の面から障害者家族とのかかわりを考察した。第二部は知的障害の子をもつ家族の聞き取りをもとに、個人の側から障害者とその家族の「新しい社会性」の内実を描き出した。

    「新しい社会性」とは、家族もしくはその他の社会集団の代表ではない、一人の人間が、個人と個人の間で、社会における活動を通して互いに影響を与え合うことを特徴とする、新たな個人とその結びつきのありかたである。2000年代の中国は、中国共産党の管理と指示に従って行動する必要があり、かつ個人化という「新しい社会性」が生まれている〈ポスト社会主義的状況〉である。

    これらの考察を通して(1)2000年代以降の中国のポスト社会主義的状況が、障害者とその家族にどのような影響をもたらしているのか、(2)中国の障害者とその家族の「新しい社会性」とは何か、について探究している。

    更に、中国は、国連の障害者権利条約を批准しているが、依然として障害者の痛ましい事件が発生している。西側諸国の「普遍的価値観」を受け入れつつ、国内の伝統的価値観とどう折り合いをつけるのか。そのような問題も本書は問うている。

    【ゲスト:奈倉京子プロフィール】1977年、静岡県生まれ。2007年、中国中山大学大学院人文学院(現社会学与人類学学院)博士課程修了・博士(法学、文化人類学専攻)。2022年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了・博士(社会学)。現在、静岡県立大学国際関係学部・教授。専攻は文化人類学、中国地域研究

    主な著書に『帰国華僑〜華南移民の帰還体験と文化的適応』(風響社 2012年)、『中華世界を読む』(編著 東方書店 2020年)、『中国系新移民の新たな移動と経験〜世代差が照射する中国と移民ネットワークの関わり』(編著 明石書店 2018年)。

    【インタビュアー:松田ヒロ子プロフィール】神戸学院大学教員、ブックラウンジアカデミア事務局

    経歴の詳細→https://researchmap.jp/hirokomatsuda



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    • 47 min
    第72回 岡野(葉)翔太さんインタビュー『二重読みされる中華民国〜戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」』

    第72回 岡野(葉)翔太さんインタビュー『二重読みされる中華民国〜戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」』

    今回は2023年に大阪大学出版会より出版された『二重読みされる中華民国〜戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」』の筆者である岡野(葉)翔太さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。

    【著作概要】1949年以降、中華人民共和国と中華民国は互いに「中国」の正統政府であると主張し、海外在住の「華僑」をどちらの「国民」とするのか、熾烈な争奪戦を繰り広げた。

    日本で暮らす台湾出身者や台湾に移転した中華民国と結びつく大陸出身者=「台湾系華僑」は、戦後東アジア地域秩序の再編によって迫られた「中華民国を支持するか」、「中華人民共和国を支持するか」、「台湾独立を支持するか」という政治選択に翻弄され、様々なカテゴライズやレッテルのもとで自己認識を問われてきた。

    本書では、在日華僑研究のなかで明確に位置づけられてこなかった「台湾系華僑」の存在を歴史的変遷のもとで捉えなおし、地図上に引かれた境界の経緯と、それに基づく呼称や自己認識との関係のなかで再考する。

    【ゲスト:岡野(葉)翔太プロフィール】1990年、神戸市生まれ。葉翔太(YEH, Hsiang-tai)は台湾名。

    2015年、大阪大学大学院文学研究科博士前期課程(東洋史)修了。2022 年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。中央研究院台湾史研究所訪問学員、大阪大学大学院言語文化研究科特任研究員などを経て、現在は大阪大学レーザー科学研究所特任研究員、大阪大学大学院人文学研究科招聘研究員。専門は華僑華人研究、現代台湾地域研究、中国近現代史。

    主な論文に、岡野翔太「『存在しない国』と日本のはざまを生きる〜台湾出身ニューカマー第二世代の事例から」蘭信三ほか編『帝国のはざまを生きる〜交錯する国境、人の移動、アイデンティティ』(みずき書林、2022年)など。

    【インタビュアー:松田ヒロ子プロフィール】神戸学院大学教員、ブックラウンジアカデミア事務局

    経歴の詳細→https://researchmap.jp/hirokomatsuda



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    • 37 min
    第71回 大久保由理さんインタビュー『「大東亜共栄圏」における南方国策移民〜「南方雄飛」のゆくえ』

    第71回 大久保由理さんインタビュー『「大東亜共栄圏」における南方国策移民〜「南方雄飛」のゆくえ』

    今回は2023年に晃洋書房より出版された『「大東亜共栄圏」における南方国策移民〜「南方雄飛」のゆくえ』の筆者である大久保由理さんにお話を伺いました。インタビュアーは安岡健一さんです。

    【著作概要】「大東亜共栄圏」を建設する使命を担った青年たちは、どのように養成され、現地でどのような現実に直面したのだろうか。この問いのもと、本書は1940年代に拓務省によって実施された南方移民政策に着目した最初の本格的研究である。

    その政策の特徴は、10代の青年たちを「大東亜共栄圏」における模範民族としてふさわしい人格と、「南方開拓」のための実践的知識を持つ人材として訓練した点にあり、彼らは卒業後に東南アジア各地へ送出された。

    本書では彼らを「南方国策移民」と定義し、拓務省管轄下にあった人材養成機関である、「拓南塾」(企業社員養成)と「拓南錬成所」(農業技術者養成)を取り上げた。また現地での活動として拓南塾卒業生のうちフィリピンへ送出された事例に焦点を当て、日記や書簡の分析や、国内外での聞き取り調査によってその実相に迫った。なお補論では、拓南錬成所卒業生のグアムでの活動が、現地社会ではどのように記憶されているかについても論じている。

    このように本書は、南方国策移民を政策・教育・活動という三つの側面から再構成し、「大東亜共栄圏」の内実について「下から」の視点から迫ることを試みる。



    【ゲスト:大久保由理プロフィール】1972年福岡県生まれ。専門は日本近現代史、民衆史、思想史。日本女子大学大学院人間社会研究科博士課程後期単位取得退学。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(PD)、日本女子大学人間社会学部助教を経て、現在は東京大学大学院経済学研究科附属日本経済国際共同研究センター特任研究員。主な論文に「移民史研究におけるジェンダー:南方国策移民を軸として」(鳴子博子編著『ジェンダー・暴力・権力』(晃洋書房、2020)など。戦争、ジェンダー、植民地の問題に関心があり、特に日本帝国における「南方・南洋」、つまり東南アジア・旧南洋群島のほか、近年は台湾・沖縄にも関心を拡げ、民衆の視点から帝国の問題を考えている。

    【インタビュアー:安岡健一プロフィール】大阪大学大学院人文学研究科 現代日本学研究室 准教授。1979年生まれ、京都大学博士(農学)。日本学術振興会特別研究員、飯田市歴史研究所研究員を経て、2015年より大阪大学にて勤務。専門は日本近現代史。主な著書に『「他者」たちの農業史』(京都大学学術出版会、2014)。監修に『コロナ禍の声を聞く〜大学生とオーラルヒストリーの出会い』(大阪大学出版会、2023)。近現代の地域社会の歴史と、オーラルヒストリーという方法に関心がある。



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    第70回 山口航さんインタビュー『冷戦終焉期の日米関係〜分化する総合安全保障』

    第70回 山口航さんインタビュー『冷戦終焉期の日米関係〜分化する総合安全保障』

    今回は2023年に吉川弘文館より出版された『冷戦終焉期の日米関係〜分化する総合安全保障』の筆者である山口航さんにお話を伺いました。インタビュアーは渡邊康宏さんです。

    【著作概要】1970年代末から80 年代にかけて、大平、鈴木、中曽根の三政権は、「総合安全保障」を掲げ続けた。新冷戦から冷戦の終焉へと国際情勢は変容し、米国でも民主党のカーターから共和党のレーガンへと政権が交代し、日米関係のあり方にも変化が見られた。そうであるにもかかわらず、なぜ総合安全保障という概念は引き継がれていったのか。これが本書の問いである。

    本書は、総合安全保障論を「多様性」と「多層性」の2つの観点からとらえ直す。総合安全保障に関する先行研究は、主として安全保障の構成要素の多様性に注目し、多層性の観点は重視されない傾向がある。そこで本書は、「広義の安全保障」たる経済安全保障や食糧安全保障などの「多様性」に加え、同盟関係のレベルや国際環境のレベルから「多層的」に安全保障を捉える視角を提示する。

    総合安全保障という用語は今日まで継承されている。本書が示す「多様性」と「多層性」の議論は、冷戦終焉期の日米関係を明らかにするだけでなく、今日における日本の外交・安全保障政策を考えるうえでも重要な視座を提供している。



    【ゲスト:山口航プロフィール】神戸市生まれ。同志社大学法学部3年次退学(飛び級で同大学院入学)。同大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(政治学)。スタンフォード大学客員研究員、同志社大学アメリカ研究所助教などを経て、現在、帝京大学法学部専任講師。専門は日米関係史、安全保障論、国際政治学。著書に今回ご紹介した『冷戦終焉期の日米関係〜分化する総合安全保障』(吉川弘文館、2023年、猪木正道賞正賞受賞)など。

    【インタビュアー:渡邊康宏プロフィール】東京工業大学社会・環境理工学院博士後期課程在籍。

    • 28 min

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