縦式 - 縦書き入‪力‬ 4+

わたしはiPhone・iPadで文章を書くためのツールを、費用を問わず幅広く試してきた。数万円の投資を行ったことは間違いない。その上で、このアプリは私の評価で5本の指に入る。指の数はもっと減らしても良い。実際には使用する端末や目的によって最適なアプリは変わるものだ。そこで、このアプリが必要な人を挙げておきたいと思う。
　まず、一つ目は原稿用紙に文字を書く人である。もしあなたが出版社の公募を目指すならば、このアプリは最終的な確認に欠かせない。一行あたりの文字数、一ページの行数を設定し、総ページ数と文字数を確実に把握しよう。いかに素晴らしい作品だろうと規約違反は容赦なくゴミ箱行きとなる。ルビは文字数に含まれず、応募前の印刷で商品としての完成度を確認することは当然だ。もちろんPDF出力も可能なのでプリンターが無ければそれでもいい。
　二つ目は、縦書きを愛する人たちへ。多くのエディターは欧米文化の影響で横書きが主流だが、日本の書籍は縦書きで印刷されるのが一般的だ。本好きには今さら言うまでもない。横書きと縦書きでは、文章の印象は天と地ほども異なる。料理人が食べるときの状況を想定しないで料理を作ることはないだろう。禁則処理やぶら下がり、段組の設定も可能で読み味は実際に近い。作者のレイアウトやデザインへの異常なこだわりが見て取れる。
　三つ目は、物忘れの激しい人。つまり動作の軽快さを必要とする人だ。せっかく思いついたフレーズやプロットも、起動が遅かったり重かったりすれば、すでに劣化し始めた私の脳からは消えてしまう恐れがある。あれ……なんだっけ？　となってしまう。創作では、神は細部に宿ると言われる。ひょっとしたらあなたに忘れ去られた一節が、どこかの誰かを感動させたかも知れない。それは人類にとっての損失である。同様に、執筆の途中でアプリが固まって強制終了なども人類のあれだ。四つ目は、残念ながらすでに記憶の彼方にあって諸君らに披露することができない。これはこのレビューを縦式で下書きしなかったせいだと思う。無念である。

iPhoneSE,SE2で使用しています。

・同人誌印刷所が指定するデータ原稿の作り方が理解できている
・各種スマホアプリの基本的な操作と設定ができる

上記二点を踏まえた上でのツールだと思います。

入稿、ネットツール、スマホやアプリに慣れていれば初見でも非常に使いやすく、非常に優れたアプリだと思います。

（同人誌印刷所へデータ入稿の予定であれば、印刷所と縦式のヘルプを読み、入稿形式が問題無いか事前に自分で調べられるスキルと準備は必要）

自分の場合はオフ本入稿の経験を一通りしてきてからこのアプリに出会った為サッと使えました。拡張もしやすく痒いところに手が届いていてもう手離せません。

原稿の作成や入稿は全く初めて、という方は別途その辺りの知識を入れる必要はあると思います。

同人誌印刷所の入稿案内、アプリのヘルプページや開発者の発信するTwitterなどを読まない、読んでもわからない、という方には正直向いてないかも……

趣味の小説制作に使わせてもらっています。
句読点が行頭に来ないように設定できるのが一番ありがたいです。他のものではできなかったので。
とにかくとても使いやすいので、おすすめです！
ただ、難点が二つ。
・カギカッコの閉じる方（」←これ）が句読点と同じようなぶら下げができず、セリフの最後の一文字と一緒に次の行に行ってしまう。いつも無理矢理調整しているが、原稿用紙の書き方と同じ設定がワンボタンでできると良い。カギカッコのぶら下げだけでも追加で設定したいです……
・書いていると、五分ぐらい経つと「広告表示ができてないからインターネットに繋げた状態で書くか広告削除のアドオンを購入しろ」という趣旨の通知（みたいなの）が出てくる。いちいちOKを押さなきゃいけないのがウザい。ちゃんとインターネットに繋がってる状態で利用してます。広告表示ができてないとかこっちの知ったことじゃない。さらにアドオン購入しろとか本当にどうかと思う。

この二つはとにかく解決してほしいです。特に二つ目を。
他はもう申し分ありません。使いやすいアプリをありがとうございます！