畑 亜貴:ソングライター

畑 亜貴:ソングライター

2023年の国際女性デーは、楽曲ができるまでの立役者である、作曲家/作詞家、プロデューサー、エンジニア、セッションミュージシャンにスポットライトを当てる。日本からは、2000年代以降のアニメソングのシーンを盛り上げ、多彩なアニメ作品に楽曲を提供する畑 亜貴に注目する。世界中にファンを持つ彼女は自身もアーティストとして活動しながら、アニソンの分野においては特に作詞家として活動。各アニメ作品の世界観や登場キャラクターに寄り添うように、かわいさやクールさ、青春のきらめきなどの要素を込め、時には造語も駆使しながら的確かつ自由自在に表現する。作品ごとに異なる世界観の中で楽曲制作を行う作家としての信念について、畑はApple Musicに語る。「自分の心に嘘はつかない。曲に対する感情の純度を高め、ストイックに言葉と向かい合うことで見えてくる世界があると思っています」『涼宮ハルヒの憂鬱』や『ラブライブ!』シリーズなどアニソンシーンの枠を飛び越えて一大ムーブメントを起こした作品をはじめ、硬軟さまざまなアニメ作品の主題歌を担当し続け、音楽の面から作品世界を形作る。そんな中でも『ラブライブ!』は、彼女にとっても特別だったようだ。「純粋な願いを歌に込め、今を精一杯生きようとする想いの尊さを曲に乗せました。お届けした楽曲たちに多くの反響を頂き、夢と輝きを描くことができた喜びと達成感がありました」。Aqoursの「勇気はどこに?君の胸に!」(『ラブライブ!サンシャイン!!』)をはじめ、彼女が作詞を手掛けたアニソン作品は多くのリスナーにとって人生の応援歌として心に響いている。アニメ作品の世界観に寄り添い、作詞家として楽曲に生命を吹き込む畑 亜貴。その一方で、自らが内から湧き上がる感情を表現するシンガーソングライターでもある。その絶妙なバランス感覚にもシーンで活躍し続ける秘訣(ひけつ)がありそうだ。シンガーソングライターとしての作品では、自らの欲望を浄化するかのように、ピュアで時には浮遊感のあるサウンドをまとい、作品からは情熱と力強さが浮かび上がる。例えば彼女が作詞/作曲を手掛けた「蜿蜒 on and on and」にはそれがよく見て取れる。「ままならぬ人生でも生きている限り理想を描こうと歌った曲です」。そんな彼女に、日本の音楽シーンにおける女性アーティストの状況を尋ねたところ、こんな言葉が返ってきた。「自分にとって不快な表現や不当な扱いが生じたら、相手や周囲に止めて欲しいと声を上げて行く勇気、そして性別や世代を問わず、相手に敬意を払うことを念頭において仕事を進める意識が必要だと思います」。そして、今を生きる女性たちに向けてメッセージを贈る。「いつも率直に自分と向かい合い、好きをたくさん集めて人生を楽しみましょう!」

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