CHAI

「CHAIのライブ会場に来てくれた全世界の人たちが、その場で自然とコミュニケーションし合う姿が見たい。そういうアーティストになりたいな」。双子のカナ（Vo/G）とマナ（Vo/Key）、強靭（きょうじん）なグルーヴを生むユウキ（B/Cho）とユナ（Dr/Cho）の4人で2012年に結成したCHAI。2016年のファーストEP『ほったらかシリーズ』を発表すると、ジャズやダンスミュージック、オルタナティブロックなど縦横無尽にジャンルを行き交う自由な音楽性と、キュートでユーモアに満ちたキャラクターがたちまち熱視線を浴びた。その翌年には、アメリカの大規模フェスティバルSXSWに出演し、全米ツアーも行う。そして初のフルアルバム『PINK』（2017年）が、CHAIの人気を決定的なものとした。CHAIはこのアルバムで“コンプレックスはアートなり！”というテーマを打ち出し、世にまん延する窮屈な価値観から抜け出し、自分らしく生きようというメッセージをポップに伝えた。マナはApple Musicにこう言う。「これはCHAIを始めた最初の時から掲げとったテーマで。私たちはみんなそれぞれいろんな悩みやコンプレックスがいっぱいあって、そこを4人で普段から褒め合っていて、『これみんなやったらハッピーになるな』ってすごく思ってた。だから自分の醜いと思う部分も全部出して、自分を愛そうって。それは今もずっと私たちのテーマなの」このオリジナルなメッセージは日本だけではなく世界中で共感を呼び、CHAIはあっという間にワールドワイドな存在になっていく。4人は海外の大型フェスティバルで熱いステージを繰り広げ、ワールドツアーをコンスタントに行い、ゴリラズやデュラン・デュランといった大物アーティストとコラボレーションを重ねた。新しい時代の新しい価値観を象徴するポップアイコンとして世界中のリスナーから愛される存在となったCHAI。次々と夢の舞台を駆け上がっていく彼女たちの目指す目標は果てしなく大きい。「実はね、すごい夢があって」とマナはApple Musicに打ち明ける。「どの国にライブに行っても、いろんな国の人、いろんな人たちが観に来てくれるのが一番の目標なんです」。その言葉を受けて、カナも続ける。「そうそう、いろんな垣根がなくなってつながり合えたら。人間だけじゃなくて、動物とか地球とか、生きとし生けるすべてのものたちと一緒に、平和にね」