2014年にリリースされた通算5作目のフルアルバムにして、2010年の名盤『Cosmogramma』に並ぶ、グラミー賞にノミネートされたフライング・ロータス代表作。全20曲を約40分で矢継ぎ早に繰り出す本作は、そのタイトルや駕籠真太郎が手掛けたアートワークが示す通り、ビビッドな死後の世界を巡るかのようなサイケデリックトリップを聴き手に提供する強烈なアルバム。盟友であるThundercatやカマシ・ワシントンら馴染みのアーティストらとともに、ジャズやヒップホップ、ファンク、ロック、R＆B、エクスペリメンタルをごった煮したサウンドは、曼荼羅のようにその姿を刻一刻と変え、まるで全体を通して1曲であるかのように振る舞う。ハービー・ハンコック、ケンドリック・ラマー、スヌープ・ドッグといったジャンルを超えたレジェンド級ゲストを集めながらも、決して彼らに主導権を渡さないフライング・ロータスの底知れぬクリエイティビティが炸裂する様は圧倒的だ。